岡崎さんの話。
すでに、岡崎さんの話で、葬儀の際、亡くなった母親が弘法大師になって、歩き始めた様が、岡崎さんの脳裏をかすめたということを書きました。
次のお話はその続編です。
岡崎さんの妹さんが、ある時、お菓子を持ってやってきた。
その御菓子は、色々な図柄が描かれた煎餅だった。
その煎餅も、割れた煎餅ばかりを箱詰めにしたもの。
だから、割れ煎餅で安く売られていたもの。
折角だから、お茶にして一緒に煎餅を食べようということになり、箱を開けた。
箱の中の割れた煎餅をお皿に出した途端驚いたと言う。
その色々な図柄の煎餅はほとんどが割れていたが、弘法大師の図柄の一枚だけは、
全く割れていなかったと言う。
そこに、亡くなった母親の姿が重なって見えたと言う。